どうして僕はフラッシュバックに何度も襲われるの?【トラウマ】
嫌な記憶が突如としてフラッシュバックする
「中学の時に予備校の授業中に、携帯が急になり出して、恥をかいた記憶」
「10年前、大学に入学して初めての英語のクラス。先生に失礼な行動をとってしまったせいで先生を怒らせ、教室の後ろに立たされてクラス50人の面前で恥をかいた記憶」
「社会人の時、お客さんとのアポイントを3回連続で誤った時間に設定してしまい、4回目の訂正の連絡をいれた時に電話口でお客さんに怒鳴られた記憶」
……
時間は経つのに、いきなり当時の嫌な記憶の中に引きずり込まれる。それも、さもその空間に引き戻されたように、当時の臭いや、温度までもリアルに感じやがる。
フラッシュバックする瞬間は突然訪れる。その間は私はどうもフリーズしているようだ。
動悸が止まらない。逃げたいのに逃げられない。10年以上フラッシュバックに襲われ続けた。
フラッシュバックに襲われた時は、決まって「死にたい」と呟いた。本当に死にたいわけではないけど、その状況からどうにかして抜け出したいと思うとその言葉が出てきた。
そのフラッシュバックがトラウマだと分かったのは2度目の大学生の時だった。
HSPの記事でも書いたように、当時は嫌いだった自分の心を理解するために、心についての本を読み漁っていた。
そして、私を救ってくれた本が『赤ずきんとオオカミのトラウマケア』だった。
赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本 新品価格 |
この本には、オオカミに襲われてトラウマを負った被害者である赤ずきんと、トラウマを負ったことによって赤ずきんを襲った加害者のオオカミの立場の両面を、森の賢者がメンターとなって2人をトラウマから解放させていくというストーリーが描かれている。
それと共に、トラウマから解放されるプロセスと実践的なアドバイスが読者に向けられている。
今回、本を紹介するにあたって、読み返してみると、今は忘れていたが、苦しんでいた頃の自分を思い出した。
「辛かったねぇ」と思わず過去の自分に声をかけてしまった。
本の一部を紹介する。
・トラウマは記憶の冷凍保存である。
トラウマを持つきっかけとなった当時はその事実を受け止め切れないから、その記憶を冷凍保存しておく。そして、ある時に記憶のトリガーを引いてしまうと、冷凍保存された記憶が解凍され、当時の記憶の空間に引き戻されてしまう。
・トラウマからの回復はらせん階段のように良くなっては、フラッシュバックを繰り返し、ゆっくり良くなっていく。
・安全感をインストール
「トラウマの原因となったあの時は苦しかった。でも、今は安全な場所にいる」という、今は安心という意識を持つ。当時と今は別である。
・トラウマを抱えた時は「一人ぼっち」だったのではないか?
そうだ。私は恥ずかしくて、情けなくて、誰にも「助けて」と言えなかった。一人で抱え込んでいたから一層辛かったのだ。
その体験を誰かに話せるようになったら、一歩前に進むことができるんだ。
この本を読む中で、正にらせん階段を登るようにゆっくりとトラウマから解放されていった。
それまでは、「失敗した情けない自分」としか過去の自分を捉えていなかった。そして、何度も失敗した過去の自分を殺した。
違う。あの時の僕は必死に耐えてくれた。一生懸命に生きていてくれた。だからこそ今がある。
そして僕は、過去の自分に
「あの時は苦しかったよね」
「よく頑張ってくれたね、ありがとう」
「君が耐えてくれたから今があるんだよ。ありがとう」
と声をかけていた。
過去の自分、過去の出来事のとらえ方が段々と変わっていく中で、僕はトラウマから解放されていった。
今では昔の記憶を思い出す事はあっても、フラッシュバックに襲われる事はなくなりました。
「君も、もう大丈夫だよ。よく頑張ったね。」