傷つきやすい自尊心 【自己愛性パーソナリティ障害】
今回は『自己愛性パーソナリティ障がい 正しい理解と治療法』についてブックレビューします。
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【あらすじ】
本著の冒頭に自己愛性パーソナリティの説明があります。
『自己愛性パーソナリティ障害は、肥大した自尊心に振り回される病気です。この障害を抱える人は、幼い頃から、生きる条件が必要だと感じ、もっと完璧で、賞賛される、幸せな自分をプレゼンテーションし続けます。そのじつ、本当の自分には自信がなく、自分を好きになれません。』
本著は自己愛性パーソナリティ障害の事例と習性を説明し、どのようにして肥大化した自尊心から等身大の自分を愛せるマインドに変えていくかの方法を解説しています。
【背景】
本著を執筆した市原氏は市原クリニックの院長です。現代社会の20%が何らかの精神疾患にかかっていると言います。市原氏はもっと気軽に相談できる場所が社会には必要だということで、大学教授の座を去り、一町医者としてクリニックを始められたそうです。
研究、現場と経験してきた市原氏は精神疾患の本をいくつも書いています。そして、本著では、自己愛性パーソナリティ障害について書いています。
市原クリニックのURLです。
https://www.studio.co.jp/ichihashi/staff.html
【読んで分かること】
自己愛性パーソナリティ障害は幼い時に健全な自己を獲得できなかったことが原因
これは先日記事を書いたアダルトチルドレンにも重なることだが、親からの無条件の愛を受けることができず、自分が愛されるためには条件が必要だと自己愛性パーソナリティ障害の人は思っている。
だから、
「自分は完璧でいなければならない」
「認められなければならない」
「特別でいなければならない」
という強迫観念の中に生きている。故に、威圧的な態度や相手を見下したような態度を無意識のうちに取ってしまう。
自分の評価より他人からの評価
他人から認められることが絶対軸になっているから、評価されている時は順調に努力できる。逆に、凡人に追いつかれそうなになると、努力をやめてしまう
➡️いままで見下していた友人から見下される自分の姿を思い描き、高い自尊心が傷つくことを極端に恐れる。
➡️自己愛性パーソナリティ障害の人がとりがちな行動は、努力ではなく、「不戦勝」
自分でものごとを評価する内的価値が存在せず、他人に評価されることしか意味がないと感じ、コツコツやるプロセスには価値を見出すことができない
必要なのは自己理解
本著では、自己愛性パーソナリティ障害の治療をカウンセリングよりも、自分で問題に気付いて意識を変えていくことが有効と書いている。そのために、
・いま、ここについて考える
・自分が普通であることを受け入れる
➡️『嫌われる勇気』にも出てくるワード
【私の感想】
本著に出会って私も自己愛性パーソナリティ障害の傾向があることに気づいた。
プライドが高すぎて捨てるのに苦労したことは過去記事に書いたので載せておきます。
本著を読んで、自己愛性パーソナル障害の傾向にある自分と向き合うことができた。
・努力ができない
・他人を見下す
・失敗すると立ち直れない
などの課題は正直まだ残っていますが、これからも自分と向き合い続けて改善させていきたい。
最後に、今年の年始に本著を読んでFacebookに投稿していたのでシェアします。
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最近自分の中の壁が1つ壊れて前に進めたので、誰かにとって何かの気づきになればと思って投稿します。
まず、どんな壁だったかと言うと、努力ができないこと。何かを成し遂げるためには努力が必要と分かっていてる。それで目的遂行のための努力を始めるのだが、詰まるところがあると、すぐ投げ出してしまう。いつの間にかYouTubeを見てる。
そんな状態が長年続いていました。試行錯誤をしてきましたがなかなか改善されませんでした。その様な中で、いつダウンロードしたか忘れてしまったのですが、Kindleに入っていた『自己愛性パーソナル障害』という本を読んでいました。
その本には、自己愛性パーソナル障害とは、幼児期に自己というものを正しく育成できなかったために、大人になって本当の自分を見失っている状態と書いてあった。素の自分が自分の中にないから、理想を追いかけて、理想の自分こそが本当の自分であると考える。今の自分はいわば仮初の自分。しかし、理想通りに行かないと、素の自分がいないから、そこに戻って再度挑戦することができず、自己否定をし、ただ失望してしまう。
うーん、まさに自分はそうだったなと。理想の自分がはっきりとイメージができてている。やるべきことを成し遂げて、称賛されるイメージがはっきりできている。しかし、そこに行き着くための努力するプランが全くない。結果だけが欲しいのである、プロセスは後回し。だから、イメージの中で急上昇し、現実に直面して急降下、そして墜落。何度この失望を味わったことだろうか。
その本の中に、症状の解決法が書かれていました。それは、『上昇ではなく、前進をイメージすること』山に例えれば、一気に山頂に着くことはありえない。山道を一歩一歩歩いて山頂に着く。この『一歩一歩』といつイメージが大切。コツコツ前に進んでいく。そして、山頂はゴールではない、そこからまた下らなければならない。本には、人生にゴールはないと書かれていた。あるのはプロセスだけであると。だからその一歩一歩を大切にしていこうと。
この一歩一歩をイメージしてから、着実な努力が出来る様になった。プロセスを楽しめるようになった。