ブックレビュー 【朝型勤務がダメな理由】
今回は『あなたの睡眠を改善する最新知識 朝型勤務がダメな理由』のブックレビューをします。
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【あらすじ】
第1章 睡眠と社会の深い関係 現代社会を生き抜くために上手な睡眠とは
第2章 睡眠の謎を解く ウソと誤解を斬る
第3章 睡眠の悩みを解決する 最新研究の成果からさぐる睡眠の改善
の3章立てで、細かいトピックが23コに分かれている。
【背景】
著者である三島氏はスタンフォード大学の医学部睡眠研究の客員准教授を務め、10年以上国立精神神経医療研究センターの睡眠・覚醒障害研究部の部長を勤めていました。まさに睡眠の研究のスペシャリストです。
普段は研究論文を執筆されていますが、本著では一般の人が興味あるであろう分野にフォーカスして、分かりやすく、少し小ボケを挟みながら(?)書いています。
【読んでみて分かること】
睡眠にはまだまだ謎が多いこと
本著では、研究により、「この物質が睡眠にこのような効果をもたらす」と確定いることと、研究をしても被験者の主観的な反応からでしか観測できず、はっきりと分からないことが区別して書かれている。
ただ、はっきりと分からないからダメということではなく、はっきりと分からないからこそ、安易な「誰でもすぐ寝られる」というよつなキャッチフレーズの商品の胡散臭さと意外な効果を本著を読めば理解できる。
睡眠に対する誤解に気づく
たとえば、眠気が来ても、運動をしたり、カフェインを摂取すれば眠気覚ましにはなるが、注意力は散漫なままである。
睡眠不足で、眠気覚ましのためにカフェインを常用していると、自分の眠気に気づかないという報告がある。つまり、「自分は大丈夫」と思って寝不足のまま運転してしても、注意力は落ちていて、事故に繋がってしまうことがあるそうだ。
これ以外にも、私たちの周りで睡眠に対して当たり前としていたことが、研究によって、意外な事実が明らかになっている。
すぐに実践に移せるものもあれば、知識として持っておいて有益な内容もある。
私も実際読んでみて、自分の興味ある箇所とあまり興味のない箇所と如実に分かれた。
【おすすめポイント】
研究データをもとに客観的に事実を語っていて、読みやすかった。
睡眠という人生の1/3近くを割いているのに謎の多い分野を、今ある研究データを持って、私たちに分かりやすく提示してくれたことにこの本の価値があると私は考えている。
また、本著に出てくるチャーミングなイラストは筆者の奥様が書かれたようです。
気取ってない文章に、読んでいてほっこりしました。