ブックレビュー 【生きづらさの正体はアダルトチルドレン その根本原因を解消し、楽な生き方を手に入れる】
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生きづらさの正体はアダルトチルドレン。その根本原因を解消し、楽な生き方を手に入れる。30分で読めるシリーズ 新品価格 |
【あらすじ】
本著では、前半部にアダルトチルドレンの症状の原因と説明、後半部にアダルトチルドレンの克服法を記している。
【背景】
筆者の梅岡氏はカウンセラーの資格を持っているが、かつてはアダルトチルドレンの症状を抱えて悩んでいた。
そして、梅岡氏が数々のセラピーやセミナーに参加し、回復効果のあったノウハウを本著に厳選して記している。
実際、本著はカウンセラーの立場からというより、アダルトチルドレンの回復者の立場から執筆した側面の方が強いと読んでいて感じた。
【おすすめポイント】
増加傾向にあるアダルトチルドレン
アダルトチルドレンの問題は人間関係が上手くいかないことです。
本著ではアダルトチルドレンが陥りがちな人間関係3パターンを記している。
- 相手と親しくなると怖くなり、仲良くなっても自ら関係を壊してしまう。
- 言いたいことを言えず、「いい人」を演じてしまう。
- いじめの標的になりやすい。
そうなってしまう原因を説明している本著の冒頭部を抜粋する。
アダルトチルドレンは、病気ではありません。
親が過度に威圧的、または精神的に不安定だと、親としての役割を果たせません。そのため、幼少期から大人であることを強いられていたのです。
つまり、『幼少期を子どもらしく過ごせなかった人たち』と捉えます。
機能不全家庭で生き延びるために、子どもは無意識に役割を選択します。
アダルトチルドレンは増加傾向にあると聞きます。
筆者のこの説明を読むと、余裕のない親が増えていることがその原因だと感じます。
余裕のない社会で疲れ切ってしまい、子どもに対して余裕を持って親として接することができない。
私の家庭も機能不全ではなかったが、問題がなかったわけではなかった。
多くの家庭で見られる問題なのかなと感じる。
でも、救いなのが大人になってからでもアダルトチルドレンを治せるということだ。
実行に移しやすい克服法
本著は30分で読めるシリーズとあって、とても読みやすい。
確かに文量は少ないないが、書かれている内容は濃く、すぐにでも実践に移せるアドバイスが多い。
私もアダルトチルドレンに当てはまる症状がいくつかあり、アダルトチルドレン克服法を昨夜試してみた。
一読しただけで一定の効果を感じたと同時に、過去の苦い記憶にトリップして、心が非常に疲れた。
なので、今朝は起きるのがつらかった。
この本を読む際は時間的に余裕がある時にした方が賢明だと思う。
本著の使い方
この本を読んだだけでアダルトチルドレンが完全に治るとは断言できない。
しかし、
「アダルトチルドレンとは何か?」
「自分はアダルトチルドレンの傾向があるのか?」
「どういう具合にアダルトチルドレンから回復できるのか?」
といったことを知ることができる。
この本だけで足りなかったら、専門のところでカウンセリングを受けてみるといい。
自分には治療が必要なのかを知る試金石としてもこの本は使えると思う。
また、多くの人が悩んでいる問題であるから、アダルトチルドレンの傾向のある人に対しての理解を助ける本著を読むことは有益であると私は考えている。