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ブックレビュー 【ケーキの切れない非行少年たち】

今回は『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治著 新潮社出版)のブックレビューをします。

 

   

 

ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)

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筆者は現在、大学で臨床心理学を教えているが、その前は少年院で法務技官として働いていた。医療少年院での勤務が10年以上という経験から本著を執筆している。

 

筆者が勤務しはじめて間もなく、少年院で一番手のかかると言われていた子と面接した。彼に手渡した絵を写すようにと指示すると、彼はちゃんと描いたつもりが、模写が全然できていかった。これにより、彼が見る力、聞く力が劣っており、大人の言うことが殆ど聞き取れないか、聞き取れても歪んで聞こえている可能性があると分かり、筆者は愕然とした。

そして、彼だけでなく少年院に入る子どもは、見過ごされた障害があって、そのケアを十分に受けてこなかった割合が高いことに気づいた。授業についていけず、学校でドロップアウトして、非行に走るという構図である。

実際、本のタイトルは、少年院の子に「絵の中のケーキを3等分して」と指示すると、多くの子どもがきれいに3等分できない事実から来ている。

 

本の中には、筆者がどのような子どもたちと接して彼らが変わっていくのかと同時に、今の学校や病院が彼らと同じように障がいを持っている子をどうして見過してしまうのかということに切り込んでいる。

 

私は子どもを教育する立場として、表面的な能力や姿勢だけではなく、もう少し深いところまで探って、どのように学生たちにアプローチしていくべきかを考える必要があるなと感じました。

 

そして、筆者は現状に項垂れるのではなく、彼らを更生させる方法を考えました。それが、認知機能トレーニンでした。

彼らの歪んだ認知の仕方を、トレーニングによって認知力を高めて、正常な認知へと変えていく。

レーニングといっても、辛いものだと続きません。何より彼らは挫折経験があるから、頑張ることを放棄します。だから、筆者が勧める認知機能トレーニングのコグトレは面白いです。別途、筆者が紹介しています。(『1日5分!教室で使えるコグトレ』東洋館出版)

楽しくトレーニングできたら、子どもも教師も嬉しいですよね。

筆者の子どもたちを救いたい、犯罪を減らしていきたいという情熱を感じる一冊です。200ページ程度なので読みやすいと思います。

 

あと、認知機能トレーニングの私のおすすめはPEAKというアプリです。有料サービスで年間3000円かかってしまいますが、言語力、記憶力、集中力など必要な力を鍛えることができます。

最近、私も入れ直しました。「だらだらゲームするのだったら、脳力鍛えるゲームやった方が得じゃね」という判断です。やってみると結構楽しいですよ。

PEAK(ピーク)- 脳トレ
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